長田螺
ナガタニシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:26 UTC 版)
Heterogen longispira (Smith, 1886) 準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト) ナガタニシ属 Heterogen Annandale, 1921のタイプ種で、1属1種。琵琶湖水系の固有種で、現在は琵琶湖のみに生息するが、かつては流出する瀬田川にも生息していたという。殻高は最大7 cmほどになり、他種よりも殻皮が緑色がかったものが多い。螺管の上方が肩ができるため、螺塔部が段々になるのが特徴だが、時には肩が弱く、一見ヒメタニシやオオタニシに似た個体が出現することもある。胎児殻の形態が他の種と大きく異なっており、殻頂自体は尖るがそれに続く螺層には特徴的な螺状の畝(うね)ができ、畝の上が平坦部になる。大型のためオオタニシなどとともに食用にされ、昭和末期頃までは年間数トンの漁獲量があった。しかしその後個体数は減少し、他の二枚貝類を目的とした貝曳漁(かいびきりょう)で少量が混獲される程度となったと言われ、中でも水質悪化の激しい南湖では激減しているとされる。 そのため2000年に準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)種に指定されている。琵琶湖水系以外の場所で見られるものは移入個体群で、神奈川県・岐阜県・京都府などの記録があるが、それらは琵琶湖産の魚介類の放流移植に伴って移入されたものと推定されている。胎殻の類似などから中国雲南省のコブタニシ属 Margarya に近縁であると言われている。属名は変わった形の胎殻を表し、種小名は長く伸びたような螺塔に由来する。
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