移入包絡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/11/24 21:10 UTC 版)
代数学において、加群 M の移入包絡 (いにゅうほうらく、英: injective hull、injective envelope) とは、 M を含む最小の移入加群でありかつ M の最大の本質拡大である。
定義
環 R 上の加群 E は、E は M の本質拡大であり、かつ E が移入加群であるとき、加群 M の移入包絡という。ここで、環 R は単位元をもち、可換とは限らないものとする。
例
性質
- 加群 M の移入包絡は、M 上恒等写像であるような同型を除いて一意的である。そのため、M の移入包絡を E(M) と表すことができる。
- 移入包絡 E(M) は M の極大な本質拡大である。
- 移入包絡 E(M) は M を含む極小な移入加群である。
- N が M の本質部分加群であれば、 E(N) = E(M) である。
- 任意の加群は移入包絡をもつ。双対概念である射影被覆は必ずしも存在しないが、平坦被覆は常に存在する。
関連項目
外部リンク
- injective hull (PlanetMath article)
- PlanetMath page on modules of finite rank
移入包絡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/09 05:39 UTC 版)
詳細は「移入包絡」を参照 上に述べたように、任意のアーベル群 A は可除群 D に本質的部分群(英語版)として一意的に埋め込むことができる。この可除群 D は A の最小の入射拡大 (injective envelope) であり、この概念はアーベル群の圏(Z-加群の圏)における移入包絡である。
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