本質拡大
(本質部分加群 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/20 20:40 UTC 版)
数学、とくに加群論において、環 R と R-加群 M とその部分加群 N が与えられたとき、次の条件を満たすならば M は N の本質拡大(英: essential extension)(あるいは N は M の本質部分加群(英: essential submodule または 英: large submodule))と呼ばれる。M のすべての部分加群 H に対して
- ^ a b 左側の表記は Lam (1999, p. 74) に、右側の表記は Anderson & Fuller (1992, p. 72) に見られる。
- ^ a b Anderson & Fuller 1992, Corollary 10.11
本質部分加群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/20 20:40 UTC 版)
上で導入された表記の下で本質部分加群の基本的な性質をいくつか挙げる。 明らかに M は M の本質部分加群であり、0 でない加群 M の部分加群 0 は決して本質的でない。 K ⊆e M であることと K ⊆e N かつ N ⊆e M であることは同値。 K ∩ H ⊆e M であることと K ⊆e M かつ H ⊆e M であることは同値。 M ≠ 0 がアルティン加群ならば soc(M) ⊆e M。 ツォルンの補題を使って次の有益な事実を証明できる。 M の任意の部分加群 N に対してある部分加群 C が存在し N ⊕ C ⊆e M. さらに、真の本質拡大のない加群(つまり、加群が別の加群において本質的ならば後者は前者に等しい)は移入加群である。すべての加群 M は極大な本質拡大 E(M) をもつことが証明でき、M の移入包絡と呼ばれる。移入包絡は移入加群であり、同型を除いて一意的である。移入包絡は M を含む他のどんな移入加群も E(M) のコピーを含むという意味で極小でもある。
※この「本質部分加群」の解説は、「本質拡大」の解説の一部です。
「本質部分加群」を含む「本質拡大」の記事については、「本質拡大」の概要を参照ください。
- 本質部分加群のページへのリンク