秘密情報の奪取
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:56 UTC 版)
不可視インクの存在が分かっている者はこれを可視化することができるが、しばしば起こる障害は、いくつもの紙片について何時間もかけて調べていくことができない、などといった時間の制限である。疑念を抱かせない事が不可視インクをうまく使うために重要な点である。 不可視インクの使用があらわになる兆候として、シャープペンシルの引っかき跡、紙の表面の粗さや反射率の変化(インクを薄めずに使うと暗めまたは明るめに変わる)などが挙げられ、これらは強い照明、拡大鏡を使った注意深い観察によって、あるいは勘で見出すことができる。文脈上奇妙なところに表れる「赤キャベツ」や「熱」などといったキーワードも、隠された文書の存在を示唆してしまう。また、光沢剤を含む紙、滑らか過ぎる紙も避けるべきである。これは、紙に含まれる滲み止めのためにインクが繊維の奥深くまで染みとおらず、特に光に当てたときなどに発見されやすくなるためである。しかしながら、紫外線によって可視化される非極性表面用のインクも市販されており、そのような紙に使っても、通常の状態では視認できない。 不可視インクで書かれた文書は、紫外線かヨウ素蒸気で満たされた容器を用いることによってすぐに読む事ができ、また、再び目に見えない状態に戻せる。すなわち、もし第三者がこの方法によって文書を盗み見たとしても、情報の漏洩を悟らせることなく受取人に手紙を渡すことができる。 理想的には、「検閲所」では視覚・嗅覚による検査、紫外線下での試験、オーブンでの加熱、そして最終的にはヨウ素蒸気を使用する必要がある。いくつかの不可視インクは赤外線カメラで感知できる、という説もある。 最終的には、紫外線と赤外線を交互に当てる方法でほとんどの不可視インクは破られることになった。
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