科学的知識の普及・啓蒙へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/09 16:08 UTC 版)
農業工学は農業分野における工学基盤、すなわち、農業土木、農業機械、生物環境調節学と順次歴史的発展を遂げてきた。現在、太陽光植物工場にみられるメガスケールの先端的な巨大栽培システムが出現し、各個別技術からシステム化・情報化へ大きく展開し、栽培に関わる生物学を包含した工学と生物学との俯瞰的学術振興の必要性に迫られ、国際化が不可欠になっている。 工学面では,対象を限定するより、幅広いシステム制御へ、即ちシステム科学志向へ、他方、栽培面では、情報化時代の今日、時間軸が長い測定に基づくより、各種センサによる計測データをリアルタイムで活用するSPA(Speaking Plant Approach)を前段とする、コンピュータによる栽培プロセスのインテリジェントシステム制御へと,イノーヴェーションを遂げつつある。 西欧では、従来からの国際園芸学会(ISHS)と国際自動制御連盟(IFAC)が協力し、この俯瞰的学術分野の振興を図っているが、日本では、その協力体制が未だ機能しているとは云えない。IFACの第8回世界大会の会長を務めた故椹木義一京大名誉教授は、「制御工学からシステム科学へ」と概念を拡張し、以後、医用、生物、社会科学の関連学術振興に大きな流れを構築した。物造り世界一を目指した先人の偉業を偲び、生物生産分野である農業も、生物学とシステム科学の俯瞰的視点で、今後の食料問題の解決に向け、関係分野の学術振興を図り、各界、各層の科学者とのオープンな論議が必要であると、橋本は長年主張し続けている。
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