社会主義諸国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:06 UTC 版)
マルクス・レーニン主義的理解において、文民統制は共産党の指導に軍が従うことを意味し、党の政治的決定あるいは政治的目的実現のため、軍は党に服属するものとされる(多くの社会主義国の憲法には「共産党の指導的役割」が明記されている)。そのため政治将校制度のような党の指導性が確実に実施される仕組みが整えられていた。中国人民解放軍やソビエト連邦の赤軍は革命戦争中に党の軍隊として発足し、党軍のままで国軍の代役を果たすものであるため、党が軍を直接指揮する。ただし赤軍は1946年に国軍のソビエト連邦軍に改組されている。 ソ連軍の最高司令官はソ連共産党書記長であり、書記長は軍事だけでなく、経済などあらゆる政治的な権限を持っていた。また、党書記長は国防会議の議長も兼ねていた。 中国人民解放軍の最高司令官は中国共産党中央軍事委員会主席(基本的に中華人民共和国中央軍事委員会主席を兼ねる)であり、政治上の最高実力者が就くポストとみなされている。おおむね党の最高位者が兼ね、1989年からは中国共産党中央委員会総書記職も兼務する慣行がある。例外的に、最高実力者であった時代の鄧小平は、党と国家の最高位ポストには就かず、中央軍事委員会主席と党中央顧問委員会主任にのみ就いていた。 金日成時代の朝鮮民主主義人民共和国では党が軍を指導する原則が貫かれていたが、金正日時代に逆転し、軍が党や政府に対して優越するという先軍政治の理念が掲げられるようになった。金正恩時代になると、それまでの最高指導機関の国防委員会を国務委員会に改組するなど、変化も見られる。朝鮮労働党中央軍事委員会は朝鮮労働党規約第27条に規定されており、同国の軍事組織である朝鮮人民軍及び同国全ての武力組織を掌握している。中央軍事委員会委員長は、同党総書記で同国最高指導者。
※この「社会主義諸国」の解説は、「文民統制」の解説の一部です。
「社会主義諸国」を含む「文民統制」の記事については、「文民統制」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から社会主義諸国を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 社会主義諸国のページへのリンク