破産と訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 00:22 UTC 版)
2015年10月に負債超過状態に陥り、ロンドンの破産裁判所に申し立てた負債支払い延期の要請が却下され、2017年6月21日午前11時23分に破産宣告された。破産手続きが進む中、2018年4月に中央アフリカ共和国のスポーツ・文化・人道担当大使に任命されたことを利用してイギリス高等法院に外交免除まで主張したが、中央アフリカ共和国によりベッカーの所持しているパスポートは偽物であると認定された。 結局、総額5000万ポンド(約68億円)にも及ぶとされる負債を返却するため、優勝トロフィーや記念品などを売却することとなり、2019年7月のオークションでは合計82点が総額68万7000ポンド(約9300万円)で落札された。しかし4大大会のトロフィー5個などは所在不明となっていたため、2018年1月には1992年バルセロナ五輪ダブルスの金メダルも含めた情報提供を呼びかけた。 ベッカーは本来売却して返済に充てるべきだった資産を引き渡さず資金・資産の情報開示を怠ったとして19の容疑で検察当局より訴追され、2020年9月24日にはウェストミンスター治安判事裁判所で行われた公判に出廷し無罪を主張。その後も訴追内容が追加され、同年10月22日はサザーク刑事法院(英語版)での公判に出廷し、全ての容疑について無罪を主張した。 ベッカーはトロフィー9個やメダルなどの資産を引き渡さなかったほか、ドイツで所有していた車販売代理店を売却して得た113万ユーロ(約1億5000万円)の隠蔽、銀行口座への資金移動、ドイツやロンドンにて所有していた不動産、82万5000ユーロ(約1億900万円)にも及ぶ銀行ローンを申告をしていなかったなどの疑いをかけられ、2022年3月21日にロンドンのサザーク刑事法院で開始された裁判では言い逃れはしていないと主張している。4月7日、サザーク刑事法院はベッカーに対し財産開示不履行や債務隠しの2件など計4件について有罪判決を下したが、残り20件の罪状については無罪とした。4月29日に禁錮2年半の有罪判決が言い渡され収監された。
※この「破産と訴訟」の解説は、「ボリス・ベッカー」の解説の一部です。
「破産と訴訟」を含む「ボリス・ベッカー」の記事については、「ボリス・ベッカー」の概要を参照ください。
- 破産と訴訟のページへのリンク