石油禁輸
読み方: せきゆきんゆ
【英】: oil embargo
同義語: オイル・エンバーゴ
【英】: oil embargo
同義語: オイル・エンバーゴ
産油国が石油の輸出を停止して消費国を困難な状況に追い込み、その政治的目標を貫徹しようとする行動を指している。1973 年の第四次中東戦争の際に、OAPEC (アラブ石油輸出国機構)が敵対するイスラエルを支援した米国やオランダに対して石油の輸出を停止したのが典型的な例である。1973 年 10 月 6 日第四次中東戦争が勃発{ぼっぱつ}すると、アラブ産油国は 10 月 17 日にクウェートで石油相会議を開き、(1) 原油の生産を 10 月以降毎月前月比で 5 %ずつ削減していくこと、(2) イスラエル支持国に対し石油を禁輸することを決議した。原油の生産削減は全世界への石油供給の減少を意味し、西側先進国に対してアラブ支持を取り付けることを目指した。石油禁輸は特にイスラエルに武器援助を行っている米国やオランダを標的にしたものである。10 月 20 日、アラブ産油国のリーダーであるサウジアラビアは石油禁輸に加え 10 %の生産削減を発表し、さらに 21 日には 20 %以上の生産削減と石油禁輸に踏み切ったのである。イスラエル対エジプト、シリアの戦争そのものは 10 月中には終わっていたが、OAPEC の減産、石油禁輸が終わったのは 1974 年 3 月のことである。この間、アラブの減産の効果はイラン、ナイジェリア、ベネズエラなど非アラブ諸国の増産によって薄められ、また、石油禁輸対象国への供給も国際石油会社が国際的な供給の大枠の中で調整して供給したといわれている。このときはアラブの石油武器戦略が最も効果の高い客観情勢にあった。これ以降、アラブはイスラエルに対抗して石油武器戦略を発動しようと何度か検討したが、いずれも実現していない。 |
オイル・エンバーゴ
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