石材の採掘と運搬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:19 UTC 版)
「ギザの大ピラミッド」の記事における「石材の採掘と運搬」の解説
大ピラミッドに用いた石灰岩は、かつてナイル川東岸から運ばれたとされてきたが、マーク・レーナーによって大ピラミッドから300mほど南に石切場が発見され、化粧石を除く大部分がそこから産出されたとする説が有力視されている。石材を採掘するには、まず岩盤に人が通れるほどの幅の溝を掘って巨大な岩塊に仕切り、次に岩塊を小さなブロックに切り分ける。最初に大きな溝で分けるのは、岩盤からブロックを切り離すために、木の梃子を用いるスペースを確保するためだと考えられている。 石材を運搬する方法、特に高い位置に揚げる方法については、大きく2つの説に分類できる。一つは古代エジプトで実際に用いられたことが確認されている、傾斜路を築いてそりなどで運搬する方法。もう一つは起重機など遺物は発見されていない技術を用いると推測する説である。先行するピラミッドで傾斜路の跡が確認されている事や、実験考古学により石材を橇に載せて傾斜路を引き上げられることが証明されており、傾斜路説が現在の定説となっている。また、ギザでは頂部に溝が入ったキノコ形の石材が発見されている。この用途は不明であるが牽引するロープの方向を変える滑車のような働きをする道具であった可能性が指摘されている。 ピラミッドに運ばれた時点では、石材は底面のみが平面に仕上げられていたと考えられる。石材を設置する前に両隣の石材と接する面を平らに仕上げて、化粧石の場合は仕上げ勾配の印だけつけておく。そして石材を据え付けた跡で、隣の石材と水平になるように上面を平らに仕上げたと考えられる。
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