石材加工技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 14:44 UTC 版)
全体的に、ティワナクでは、遺跡の石材は豆腐状に長方形に切り出されたものが多く、その面は見事に平らである。 これら石材の切り出しや加工方法、それに利用された道具については、諸説あるが、確実なことはわかっていない。一部では、亜円礫等のハンマーを用いて石材の表面を細かく叩いて平らにする技術(=敲製,敲打 ペッキング)が用いられている。この技術は、インカ期にも利用されており、オリャンタイタンボ遺跡などインカ期の石材加工に用いられたことが確認されている。この石材とまったく似た加工痕(石材の表面の敲打痕)を、ティワナク遺跡のいくつかの建造物で確認することができる。これ以外に、石材表面を、何かの媒介物で研磨したと思われる技術が用いられており、敲打痕とはまったく異なった綺麗に研磨された表面を持つ。 こういった加工技術の使い分けが、石材ごとに行われていたり、遺跡ごとに区別されていた形跡は、今のところ確認はされていない。ただし、ティワナク遺跡の破壊や風化が進んでいるため、放棄後から900年近く経た今日、詳細な調査・分析は困難になっている。特に砂岩は風化が激しく、石の表面が層状に剥がれ落ちるため、本来の石材の表面がどのような状態だったか確認するのは困難になってきている。さらに、カラササヤの間違った復元は、建造物ごと或いは場所ごとの石材加工技術の違いについて、その分析をいっそう難しくしており、当時遺跡がどのような状態にあったのか、どのように機能していたのかについては確実なことはわかっていない。遺跡からはがされた石は、村の教会建設に利用されており、村の広場中央にある石製ベンチも遺跡か運ばれた石材で作られている。また、村の一般の住居でも遺跡から持ち運ばれた石材が良く見られる。遠く、ラハやラ・パスの教会にまで、遺跡からはがされた石材が利用されているという。
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