チチカカ湖の葦船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 13:27 UTC 版)
トトラ葦は南アメリカ、特にチチカカ湖周辺、そしてイースター島でも育つ。これらの葦は、コロンブス以前の南米のさまざまな文明で葦船を造るために使用されてきた。「バルサ」と呼ばれる船は、小型の釣り用カヌーから30メートル長までさまざまな大きさの物がある。それらは、海抜3810メートルのペルー・ボリビア国境にあるチチカカ湖で今でも使用されている。 ウル族(英語版)(ウル人、ウロス人)はインカ文明以前の先住民である。彼らは今でも、チチカカ湖に点在する人工の浮島に住んでいる。これらの島々もトトラ葦でできている。それぞれの浮島に、同じく葦でできた3 - 10軒の家が建っている。ウル族は今でもトトラ葦船を造っており、釣りや水鳥狩りに使用している チチカカ湖のボリビア側の町であるスリキ島の葦船職人は、トール・ヘイエルダールが「ラー2号」と「ティグリス」を建造するのを助けた。トール・ヘイエルダールは、チチカカ湖の葦船がエジプトのパピルス船に由来することを証明しようとした。 チチカカ湖の南東岸近くには、古代都市国家ティワナク遺跡がある。ティワナクの遺跡からは、当時の卓越した石材加工技術の存在がうかがえる。精巧な彫刻やモノリスを作成するために使用された緑色の安山岩は、チチカカ湖の対岸にあるコパカバーナ(英語版)半島に由来すると見られる。一つの理論として、40トン以上の重さのこれらの巨大な安山岩石は、葦船に載せられてチチカカ湖上を約90キロメートル輸送された可能性がある。 チチカカ湖に浮かぶ葦の島 チチカカ湖でトトラを収穫するウル人。これは伝統的に葦船を作るために使用されてきた トトラ葦でできた船を引くウル人の男性 葦船で働くウル人の姿 イースター島でもトトラ葦を使って葦船が建造された。興味深いことに、この船のデザインは、ペルーで使用されている物とよく一致している。
※この「チチカカ湖の葦船」の解説は、「葦船」の解説の一部です。
「チチカカ湖の葦船」を含む「葦船」の記事については、「葦船」の概要を参照ください。
- チチカカ湖の葦船のページへのリンク