短縮版と完全版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:59 UTC 版)
「アンドレイ・ルブリョフ (映画)」の記事における「短縮版と完全版」の解説
186分版の原版と異なるものとして、205分版の完全版や、さらにカットした短縮版など数多くのバージョンが存在する。劇場で公開されたさいの上映時間は国や地域によって様々で、1973年に北米で公開された版は原版から20分ほど短縮した165分版であり、イギリスではさらに短い145分版、日本では原版をわずかに短縮した182分版が1974年12月7日に公開された。また、1973年にソビエト連邦でテレビ放映されたものは、おもに「襲来 1408年」や「祭日 1408年」の場面がカットされた上映時間101分の版で、ソビエト連邦が完全にカラーテレビへと移行していないといった理由から、ルブリョフのイコンが映し出される「エピローグ」の章がカラーではなくモノクロで放映された。その後、1987年にもソビエト連邦でテレビ放映されたが、このときすでにカラーテレビへ移行していたにもかかわらずエピローグはモノクロのままであった。そのほかの版として、映画の冒頭にルブリョフの生涯と歴史的背景にかんする簡単な説明文がつけ加えられた版もある。 また、205分版の完全版は、劇場での公開がされなかったものの、1990年代以降にアメリカ合衆国の映像ソフト会社クライテリオン・コレクションがレーザーディスクやDVDで販売したことにより、その全体像が明らかになった。それまで日の目を見ることがなかった完全版の出どころについて、タルコフスキーの妹マリーナ・タルコフスカヤは、映画を編集したスタッフのひとりだったリュドミラ・フェイギーノワが205分版のプリントをひそかに自身のベッドの下に保管しつづけていたと述べた。一方、完全版を販売したクライテリオン・コレクションの製作者マーク・ランスは、映画監督マーティン・スコセッシがロシア訪問のさいに入手したプリントをもとにソフト化したものだと述べた。
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