白川文字学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 16:43 UTC 版)
白川の著作には漢字の分析が多く、白川は漢字学者とさえいわれるが、白川の学問の目的は、「東洋的なものの源流を求める」ということに発しており、その学問体系全体から見れば、漢字学・文字学はその一部に過ぎない。 白川は本質的には中国古代文学の研究者である。その研究上、文章の単位である漢字をまず研究し、その成果として漢字の原義を明らかにした。漢字の個々の原義研究においては多くの人々のすぐれた各個研究があるが、それは部分研究であり、一般性を持たない。白川学の特長は、体系性にある。その体系化された漢字の原義は、中国古代の文化・歴史・思想等の厖大な領域の研究の優れた道具となり、それによって中国古代学研究全体が大きく前進したのである。 梅原猛は、「白川氏はほとんどすべての漢字を神の世界との関係で解釈するのである。このような漢字の大胆にして、しかも首尾一貫した論理性をもつ解釈をした学者は、世界にも白川氏を除いては存在しないであろう。私はそれをニーチェの業績に比したいと思う。(中略)ニーチェによってギリシャ世界の解釈は一変したわけであるが、白川氏は中国世界の解釈を一変させたのである。」と評している。
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