白い砂漠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/29 07:17 UTC 版)
CDPの名前の由来にもなっている白い砂漠は、ニューメキシコ州トゥラロサ盆地の焼けるような太陽の下に横たわり、その白い砂は新雪のように輝いている。大部分の砂漠の砂と異なり、ここの砂は石英ではなく、柔らかく白亜質の石膏又は硫酸カルシウムから成る。また、石英を主成分とする砂と異なり、表面の水分を素早く蒸発させ、砂が太陽光を吸収せずに反射するため、触っても熱くないという特徴がある。地表に現れた石膏の堆積物では世界最大のものである。 石膏は地球で見つかる最も一般的な無機化合物の1つであるが、水に溶けやすいため地表ではめったに見られない。この珍しい砂漠の起源はおよそ1億年前にさかのぼり、そのときは浅い海に覆われていた。その海が徐々に退いたため、塩湖が取り残され、その湖も最終的に太陽の熱で蒸発した。蒸発した後に残った古代の海底の厚い堆積物の中には、塩に加え、大量の石膏も残された。 トゥラロサ盆地はサクラメント山脈とサン・アンドレス山脈の間にあり、約6,500万年前に形になり始めた。地殻の巨大な隆起は大地と石膏の堆積物を押し割り、空へと押し上げた。 山脈から来る定期的な雨水と雪解け水は石膏が浸出する原因になり、濃厚な溶液が山腹を洗い流した。石膏の溶液は、トゥラロサ盆地で最も低い部分であるルセロ湖にたまった。湖の水は蒸発によらない限り他へ逃げる方法がないため、水分が蒸発した後に結晶化した石膏または透明石膏の薄い層を残した。その後の風化がこれらの結晶を純粋な砂粒にし、南西の風は盆地のより遠くに砂粒を運び、砂はしばしば15 m(50 ft)ほどの急な砂丘に堆積する。風はさらに多くの砂丘を作り出すと同時に、砂丘そのものを1年に最高 9 m(30 ft)ほど移動させている。砂丘のこの定常的な移動は周囲の自然にアルカリ性の性格を加え、雨量が少ないことも加えて植物がここで成長することを困難にしている。
※この「白い砂漠」の解説は、「ホワイトサンズ」の解説の一部です。
「白い砂漠」を含む「ホワイトサンズ」の記事については、「ホワイトサンズ」の概要を参照ください。
- 白い砂漠のページへのリンク