発電機と電気系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 20:56 UTC 版)
エンジン補機の交流式発電機によって作られた115V、または200Vで400Hzの三相交流の電力は、電力コントロールセンターに集められ、一部が直流28Vに変換されて配電される。21世紀の旅客機では発電電力の半分近くがギャレーでの加熱調理や食品冷蔵に消費される。大型機では交流の主電力から直流28Vへ変換し、瞬停を避けるために無停電電源装置 (UPS) を経由して航法装置類に給電している。小型のプロペラ機では主電源を直流28Vとしており、ジェットエンジンを積んだリージョナル機でも同様のものがある。高圧空気によるスターターを持つエンジンでも、発電機を始動用モーターとして使用できるものがある電気系統は多重化されている。危険防止や燃料節約や装置の劣化防止といった経済的理由に加えて騒音を避けるの意味からも、機体が地上で停止している間はできるだけ推進エンジンを停止するようになっている。機内で必要な電力は主たるエンジンが停止してもAPUによって必要最小限の電力が供給可能であるが、APUもまた主エンジンと同様の理由によって停止される傾向があり、空港施設から太いケーブルを接続されて電力供給を受けるGPUと呼ばれる方法が用いられる。GPUのケーブル接続部には短い端子が1本あり、GPU電力線の端子が奥まで進んで接続が安定した後でこの端子により機体内のグランド・パワー・リレーが電力系統を切り替えることで、端子部でのスパークを避けるようになっている。多重化された電気系統には、それぞれにサーキット・ブレーカー、逆流防止器、フューズが付いており、故障に備えて主エンジンとAPUの発電機とGPUという電源からの入力を、それぞれ任意の電力系統に切り替えられるようになっている。
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