発電機の故障と検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 00:25 UTC 版)
「エア・イリノイ710便墜落事故」の記事における「発電機の故障と検査」の解説
事故機では6ヶ月前から右の発電機の問題が報告されており、記録によれば航空会社は適切な検査を行っていた。しかしエア・イリノイの整備はずさんなもので、整備士は必要以上に検査に要する時間を短縮していた。イギリスの民間航空局(英語版)、ホーカー・シドレー及び連邦航空局(FAA)の記録によればHS-748ではこの事故以前に電気的な不具合が43件報告されていた。このうち両方の発電機の故障が13件、片側の発電機の故障が16件、その他の発電機に関する不具合が12件であった。 NTSBの調査から、エア・イリノイのパイロットや整備士は不具合や故障についての情報を日誌に記入するのではなく、口頭やメモに書いて報告していたことが判明した。そのため発電機の問題についても日誌には記載されていなかった。加えてパイロット達は発電機が故障した場合の適切な訓練を受けておらず、事故後に行われたバッテリーの寿命に関する聞き取り調査では5人のパイロットが3つの異なる回答をした。NTSBは最終報告書で事故機は定められた規則や会社の手順に従って整備されていなかったがこれらの違反は事故に寄与しなかったと結論づけた。 またNTSBはFAAによる不適切な検査も事故の要因であったとした。エア・イリノイの担当だったFAAの検査官は航空会社への訪問検査などを怠っており、後任の検査官に至っては適切な資格も保有していなかった。FAAによる検査が不適切であったため、航空会社による整備の欠陥を発見出来なかったとNTSBは結論づけた。
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