発売がアナウンスされながら未発表となっている作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 03:13 UTC 版)
「ビートルズの作品」の記事における「発売がアナウンスされながら未発表となっている作品」の解説
ゲット・バック - Get Back(1969年、1970年)ゲット・バック・セッションの音源を元に製作された、『レット・イット・ビー』の前身ともいえるアルバム。プロデューサーはグリン・ジョンズ。このプロジェクトの発端がコンサート活動の再開〜TVコンサートであったため、映像関係に太いパイプのあった同氏が選ばれた。このためデビュー以来のプロデューサーであるジョージ・マーティンへは相談もなく、彼もまた『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』制作時の混乱から嫌気をさし、一部の撮影や録音に干渉してはいるものの、先行シングルの『ゲット・バック c/w ドント・レット・ミー・ダウン』とシングル・バージョンの「レット・イット・ビー」を除き、プロデューサーとしてはノータッチである。制作過程によって2種類のバージョンがあり、選曲と曲順が異なっている。 「原点に帰れ」のコンセプトから、オーバー・ダブを極力排し、シンプルでストレートなアレンジを鉄則として定め、ジャケットの表記タイトルは『プリーズ・プリーズ・ミー』のそれをもじって「Get Back with Don't Let Me Down and 13 other Songs」と命名、ジャケット写真も『プリーズ・プリーズ・ミー』の時と同じ場所、同じようなポーズ、同じカメラマンで撮影が行われた(後にこのアルバムの別テイクが『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』で使われた)。 先にマスター・アップしたバージョン(1969年5月28日制作)が却下されたため、グリン・ジョンズは1970年1月5日に再度編集を試みたもののこちらも却下された。その後、マザー・テープがフィル・スペクターに託され、リプロデュースの末に『レット・イット・ビー』となった。 2021年に発売された『レット・イット・ビー (スペシャル・エディション)』のスーパー・デラックス・エディションおよびデジタル配信版に『ゲット・バック』のステレオLPミックスが収録された。 セッションズ - Sessions(1985年)音質がよくジャケットも本物かと見紛うような海賊版が横行することに頭を痛めていたEMIが企画した、未発表音源収録物。既発表曲のデモや別バージョン、ファンクラブ用ソノシートの収録曲、また完全な未発表曲などで構成されている。マスターテープとアルバムカバーが完成した段階で、なぜか某メンバー(明らかにされていない)から異議が出たため、文字通りお蔵入りしてしまう。後にボリュームアップして形を変え、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』へと昇華した。音源とジャケットデザインが流出し数多くの海賊盤が出回り、1990年代には『ウルトラ・レア・トラックス』らと共にレンタル店で扱われていた。
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