病気の管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 07:48 UTC 版)
「キャッサバ褐色条斑病」の記事における「病気の管理」の解説
CBSDの防除のための管理法の探索が続けられているものの、その進展は遅々としたものである。キャッサバモザイク病とCBSDの双方に対して抵抗性を有するキャッサバ系統の樹立が必要とされている。いくつかのキャッサバの系統ではUBCSVに対する自然抵抗性が発見されている。これらの系統の遺伝資源を広範に分布させることで、病気の発生率を大規模に低下させることができる可能性がある。 遺伝子工学 RNAゲノム特異的な遺伝子工学技術がキャッサバの栽培品種の抵抗性を向上させるために用いられている。近年の研究では、ウイルスの配列に相同なヘアピンRNAの発現誘導が植物の免疫システムが異物に遭遇した時の行動を模倣するため、有効な研究室的技術となる可能性が示されている。具体的には、キャッサバの品種60444において、CBSVの被覆タンパク質配列の3'末端に相同なヘアピンRNAを用いることでCBSVとUCBSVに対する抵抗性を獲得することができた。このヘアピンコンストラクトを農家が好む品種 Nigerian landrace TME 7 へ移すことで、この品種はもともとCMV抵抗性を示すため、接ぎ木後にCMVとCBSVの双方に対する抵抗性をつけることに成功した。このように、既にCMVに対する抵抗性を有している植物の免疫システムを利用するという方法が、双方のウイルスと闘うために実行可能な方法であることが示唆されている。 教育 農家は、CBSDに関して、その原因、診断、病気の拡散を含めて、より良い教育を受ける必要がある。最も明らかな病徴はキャッサバの根の腐敗であるが、農家は、ウイルスではなく水のやりすぎが腐敗の原因であると考える傾向にある。葉の病徴の同定も重要であり、農家は収穫期を待たずにより正確な収穫量の予測を立てることができるようになる。また、耐性系統の認知の促進も行うことができる。研究者が新しい診断法を知れるよう、研究者のためのワークショップの開催も勧められる。 より多くのデータの必要性 病気の拡散や品種との親和性をよりよく理解するためには、より多くの調査が行われる必要がある。感染した品種の作物としての使用の差し止めは、追跡を行うことで迅速に行うことが可能である。ウイルスの病因に関連するより多くの研究の必要性が強調されている。 他の示唆 焼畑 特定の地域では、CBSDに感染したキャッサバを焼畑農業の技術で駆除し、それらをより耐性の高い系統で置き換えることが推奨されている。 国境の監視 国境の監視を強化する(タンザニア、ウガンダ、ケニアの国境など)。 国境を通過する試料の組織検査Regulatory testing of tissue samples cross-border 検査が行われた遺伝資源のみが国境を通過するようにする。
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