生体模倣
英語:bipomimicr、biomimetics
生体の組成や形状を研究し、その優れた機能を工学技術として応用すること。またはそうして開発されたもの。「ミミクリー」(mimicry)は真似、模倣、擬態、模造品などを意味する英語、「ミメティクス」(mimetics)は模倣物といった意味の英語。
生物の身体は長い年月をかけて進化し、生息・生存への最適化が行われている。そうした生体の機能を研究し、模倣することで、従来製品よりも遥かに優れた効果や効率性を得ることが可能になることは少なくない。
生物模倣技術は、平たく言ってしまえば自然をお手本にする技術開発の一環であると言える。しかしながら、近年のナノテクノロジーの進展によって超微細レベルでの観察および加工が可能になったことにより、生物模倣工学は飛躍的な進歩を遂げつつある。
生物模倣技術の成果の例として、蓮の葉に見られる微細で密な凹凸を再現し優れた撥水力を得た素材などが挙げられる。この素材は実用化され、撥水生地の表面加工などに用いられている。
生体模倣を研究対象とする学問分野はバイオニクス(生体工学)とも呼ばれる。
関連サイト:
進化する生物模倣の世界 - 科学技術振興機構
せいぶつ‐もほう〔‐モハウ〕【生物模倣】
読み方:せいぶつもほう
生物模倣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/12 14:59 UTC 版)
「3Dバイオプリンティング」の記事における「生物模倣」の解説
バイオプリントの第1の手法は、生物模倣と呼ばれる。この手法の主な目的は、人体の組織や臓器に見られる自然な構造を模倣し、同じ構造を作り上げることである。生物模倣は、器官、臓器および組織の形状、枠組み、および臓器の微小環境を「複製」する。バイオプリンティングにおいて、臓器の中の、細胞の部分と細胞外の部分の両方を模倣しないといけない。このアプローチを成功させるためには、組織をミクロスケールで複製することが重要である。したがって、微小環境を理解すること、つまり、この微小環境における生物学的な相互作用、機能的な細胞および支持的な細胞がどのように構成されているか、細胞を満たす液体成分、および細胞外マトリックスの組成を理解する必要がある。
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