生態学的特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 23:54 UTC 版)
一見ウナギに似るが、 無顎類に共通する顎を持っていない重要な特徴がある。体は細長く、皮膚は粘液(ヌタと呼ばれる)に覆われている。体の両側に1-16対の鰓孔がある。ヤツメウナギの仲間では鰓孔は7対で、「7個の目」と呼ばれる箇所である。3-4対の口ひげを持つ。骨格はほとんど軟骨で、体は極めて柔軟である。口の周りに歯を持たないが、舌の上に歯状突起があり、大型の魚に吸着し内部を侵食する。鰭は尾鰭のみで、腹鰭・胸鰭などの対鰭を持たない。小脳を欠く。卵巣と精巣を両方持つが、機能しているのはどちらか一つである。 目は退化して皮膚に埋もれているため視力が極めて弱い、あるいは無いと考えられている。眼球には水晶体がなく、特に深い海に生息するホソヌタウナギ属では網膜の発達も悪い場合が多い。目を覆う皮膚は色素に乏しく白みがかって見える。化石種の解析から、ヌタウナギ類の祖先は比較的発達した目を持っており、進化の過程で機能を退化させたものと考えられている[要出典]。 一般に腐肉食性で、クジラや他の大型魚類などの死骸に集まる姿がしばしば観察される。鯨骨生物群集としては遷移の初期に見られる。生きた獲物ではゴカイのような多毛類にくわえ、頭足類や甲殻類も捕食していることがわかっている。体側には粘液の放出孔(70-200個)が一列に並び、ヌタウナギ固有の粘液腺(ヌタ腺と呼ばれる)から白色糸状の粘液を放出する。この粘液は捕食あるいは防御に用いられ、獲物の鰓に詰まらせて窒息させる効果もある。 非常に生命力が強い。頭部や内臓を失った状態でもしばらくの間は生存可能で、痛覚などに対する反射的な回避行動をとる。
※この「生態学的特徴」の解説は、「ヌタウナギ」の解説の一部です。
「生態学的特徴」を含む「ヌタウナギ」の記事については、「ヌタウナギ」の概要を参照ください。
- 生態学的特徴のページへのリンク