生態差による誤解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 23:18 UTC 版)
「バジュラ (マクロスシリーズ)」の記事における「生態差による誤解」の解説
「マクロスシリーズ」の過去作に登場した敵性勢力はおおむね人型の異星人だったが、『マクロスF』では差別化の意味もあり、怪物的な外見をもつ異星生命体となった。デザインを担当した石垣純哉は、「生物にも見えるし、誰かの意志で作られた戦闘兵器のようにも見える」というイメージで発注を受けたという。 総監督である河森正治によれば、「マクロスシリーズ」をつくるときにはストーリーの決着に歌をどう絡めるのかが最大の問題になるというが、本作では一見コミュニケーション不可能な「異星生物と歌」という考え方が浮かんだという。「歌が異星生物に効く」と設定する上でヒントとなったのが、「人間の感情は脳だけで生み出されているのだろうか?」「臓器で感情が生まれているのではないか」という仮説である。歌がバジュラに対して力を持つのは、腸に近い部分で歌うことで感情のバイブレーションが伝達しやすくなると「仮定」したためである。 脳を中心に並列思考計画を企んでいたギャラクシー船団は、バジュラネットワークの核が腸にあることに気づかず、脳に無理やり腸内細菌を宿らせようとしたため、プロジェクト・フェアリーに失敗する。ランカは母胎感染したため、バジュラと同様に腸内細菌と共生関係になることができた。 本作の隠れたテーマとして「誤解」があり、バジュラ戦役も人類とバジュラという異種族ゆえの誤解から発生している。バジュラは基本的に人類を攻めてこないが、フォールド波を発する仲間(ランカ)を得体の知れない生物(人類)から助けようとして、正当防衛的に行動しているうちにエスカレートしていった。その行動がギャラクシー船団に利用され、フロンティア船団との戦いへと発展する。 バジュラは「個」というものを持つ人類を理解できなかったが、バジュラ母星の決戦においてランカとシェリルというフォールド波を発する別々の個体を認識したことで、人類が「単体思考を行う、コミュニケーションをとらねば互いに解り合えない生物」であることを理解し、人類への攻撃行動を停止する。
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