理論上空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 09:00 UTC 版)
ケモインフォマティクスでよく言われる化学空間とは、潜在的な薬理活性分子の空間のことである。その大きさは1060分子のオーダーと推定されている。この空間の正確な大きさを決定するための厳密な方法はない。ただし、潜在的な薬理活性分子の数を推定するために使用される仮定は、リピンスキーの法則、特に分子量の限界を500としている。推定ではまた、使用する化学元素を炭素、水素、酸素、窒素、硫黄に制限した。さらに500ダルトン以下に止めるために最大30原子の仮定を行い、分岐と最大4つの環(芳香族性(英語版))を可能とし、1063の推定値に到達した。この数字は、その後の出版物で有機化学空間全体の推定サイズであると誤引用されることが多いが、ハロゲンや他の元素を含めるとはるかに大きくなる。リピンスキー則によって部分的に定義される薬物様空間やリード様空間に加え、市販薬の分子記述子によって定義される既知薬物空間 (英語: known drug space; KDS) の概念も導入されている。KDSを使用して、設計や合成を行っている分子の構造と、KDSによって定義される分子記述子パラメータを比較することで、医薬品開発のための化学空間の境界を予測することができる。
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