王位簒奪戦争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 09:55 UTC 版)
ゼウスの生誕に関する古代伝説のひとつによれば、父クロノスはわが子に支配権を奪われる不安にかられ、生まれた子供を次々に飲み込んでしまった。そこでゼウスを生んだとき、母レアーは産着で包んだ石をかわりにクロノスに飲ませることでゼウスを救った。ゼウスはクレータ島のディクテオン洞窟で雌山羊のアマルテイアの乳を飲み、ニュムペーに育てられた。 成人したゼウスは、嘔吐薬によってクロノスに女を含め兄弟たちを吐き出させ、父親に復讐をしたがっている彼らと共に、全宇宙の支配権を巡る戦争であるティーターノマキアーを勃発させた。この時、飲み込まれた順とは逆の順で吐き出されたが、これがポセイドーン等にとって第2の誕生にあたり、よって兄弟の序列が逆転されたともされている。 この大戦においてゼウスは雷霆を投げつけ、宇宙をも揺るがす衝撃波と雷火によってティーターン神族を一網打尽にした。雷光は全空間に漲り、ティーターンたちは瞬く間に目を焼かれて視力を奪われた。雷霆の威力は想像を絶し、見渡す限りの天地を逆転させ、地球や全宇宙、そしてその根源のカオスをも焼き払うほどであった。この猛攻撃の甲斐あってゼウスたちはクロノスなどのティーターン神族を打ち倒し、敗者であるティーターン神族は宇宙の深淵であるタルタロスに封印された。 その後ゼウスとポセイドーンとハーデースは支配地をめぐってくじ引きを行い、それぞれ天界と海界と冥界の主となった。更に、ゼウスはその功績から神々の最高権力者と認められた。しかしその一方、この時のハーデースは冥界の主となったためにオリュンポス十二神から除外されている。
※この「王位簒奪戦争」の解説は、「ゼウス」の解説の一部です。
「王位簒奪戦争」を含む「ゼウス」の記事については、「ゼウス」の概要を参照ください。
- 王位簒奪戦争のページへのリンク