玉虫家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:49 UTC 版)
「悪魔が来りて笛を吹く」の記事における「玉虫家」の解説
玉虫公丸(たまむし きみまる) 秌子・利彦の伯父(母の兄)。70歳前後。元伯爵で元貴族院議員。邸宅が焼失したため椿家に転居したとされる。転居先を椿家とした表向きの理由は、偏屈で子供たちとは合わず、むしろ姪・秌子には敬意を払われているということだが、実は甥・利彦を監督するのが主目的であった。 1923年(大正12年)の夏、自分の別荘に遊びに来ていた利彦が奉公人の駒子を妊娠させた時は、その父・河村辰五郎に多額の手切れ金を支払って処置した。しかし、同時期に秌子が利彦の子を妊娠した際は醜聞を恐れ、極秘で自分の別荘で出産させた男児を表向きは死産とし、駒子の口から新宮兄妹の近親相姦を知っていた辰五郎に渡して里子としたのが後の河村治雄である。その後も辰五郎から要求されるごとに口止め料を支払っていた。 砂占いに始まる騒ぎのあと現場に1人で残っていたところ、風神雷神像を入れ替えようとした東太郎と鉢合わせとなり、東太郎の口からその出自を明かされる。東太郎としては殺害予定はなかったが、自分への殺意を含んだ敵意に気付き、気が変わった東太郎により絞殺され第一の犠牲者となった。 菊江(きくえ) 公丸の小間使いで、妾。23 - 4歳位でスタイルのいい美しい女性。芸者見習いをしていた時に公丸に見初められた。普段の言動に似つかわしくない古風な価値観を有しており、内祝言を挙げた秌子と目賀を軽蔑している。タイプライターを美禰子に教わり、打つのが上手い。公丸の他に戦時中徴兵されて戦死した恋人がおり、出征前夜に会いに来た彼に「心中立て」したため、左手の小指が欠けている。 停電を利用したトリックに即座に気付くなど聡明な一面もある。公丸殺害により椿家にとって「縁なき衆生」になったが、殺人事件の重圧に押し潰されそうな中で彼女が撒き散らすコケットリーな空気の救いが必要とされ、事件解決まで椿家に同居し続けた。
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