状態空間 (制御理論)
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状態空間(じょうたいくうかん、英: State Space)あるいは状態空間表現(じょうたいくうかんひょうげん、英: State Space Representation)は、制御工学において、物理的システムを入力と出力と状態変数を使った一階連立微分方程式で表した数学的モデルである。入力、出力、状態は複数存在することが多いため、これらの変数はベクトルとして表され、行列形式で微分代数方程式を表す(力学系が線形で時不変の場合)。状態空間表現は時間領域の手法であり、これを使うと複数の入力と出力を持つシステムをコンパクトにモデル化でき、解析が容易になる。周波数領域では、
状態変数は、任意の時点でシステム全体の状態を表せるシステム変数群の最小の部分集合である。状態変数群は線形独立でなければならない。すなわち、ある状態変数を別の状態変数群の線形結合で表すことはできない。システムを表現するのに必要な状態変数の最小個数
典型的なフィードバックは、出力に行列 K をかけたものをシステムの入力とする。 system:
フィードバックに加えて、入力
- Chen, Chi-Tsong 1999. Linear System Theory and Design, 3rd. ed., Oxford University Press (ISBN 0-19-511777-8)
- Khalil, Hassan K. Nonlinear Systems, 3rd. ed., Prentice Hall (ISBN 0-13-067389-7)
- Nise, Norman S. 2004. Control Systems Engineering, 4th ed., John Wiley & Sons, Inc. (ISBN 0-471-44577-0)
- Hinrichsen, Diederich and Pritchard, Anthony J. 2005. Mathematical Systems Theory I, Modelling, State Space Analysis, Stability and Robustness. Springer. (ISBN 978-3-540-44125-0)
- Sontag, Eduardo D. 1999. Mathematical Control Theory: Deterministic Finite Dimensional Systems. Second Edition. Springer. (ISBN 0-387-984895) (フリーなオンライン版)
- Durbin, J. and S. Koopman (2001). Time series analysis by state space methods. Oxford University Press, Oxford. 状態空間の考え方を計量経済学に応用したもの
状態空間モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 03:12 UTC 版)
「状態空間 (制御理論)」も参照 状態空間モデルとは、状態(観測不可能)を x t {\displaystyle x_{t}} 、観測値(観測可能)を y t {\displaystyle y_{t}} 、システムノイズ(状態遷移のノイズ)を v t {\displaystyle v_{t}} 、観測ノイズを w t {\displaystyle w_{t}} として、以下で時系列 y t {\displaystyle y_{t}} を表現するモデル。 x t = f t ( x t − 1 , v t ) y t = h t ( x t , w t ) {\displaystyle {\begin{aligned}x_{t}&=f_{t}(x_{t-1},v_{t})\\y_{t}&=h_{t}(x_{t},w_{t})\end{aligned}}} このモデルは粒子フィルタ(モンテカルロ法)を用いて、状態 x t {\displaystyle x_{t}} の確率分布を求めることが出来る。関数 f t {\displaystyle f_{t}} と h t {\displaystyle h_{t}} には制限はないが、 h t {\displaystyle h_{t}} は観測値から尤度(確率密度または確率質量)を逆算できることが必要。 x t {\displaystyle x_{t}} や y t {\displaystyle y_{t}} は実数ベクトルである必要は無く、任意のデータ構造で良い。 状態および観測値が実数の列ベクトル、関数 f t {\displaystyle f_{t}} と h t {\displaystyle h_{t}} が線形(行列の乗法)、システムノイズ v t {\displaystyle v_{t}} と観測ノイズ w t {\displaystyle w_{t}} が多変量正規分布に従う場合は、以下のようになる。 x t = F t x t − 1 + G t v t y t = H t x t + w t {\displaystyle {\begin{aligned}x_{t}&=F_{t}x_{t-1}+G_{t}v_{t}\\y_{t}&=H_{t}x_{t}+w_{t}\end{aligned}}} こちらは、状態 x t {\displaystyle x_{t}} の確率分布(多変量正規分布)をカルマンフィルターにて厳密解を求められる。ARMA や ARIMA もこの線形モデルで扱うことが出来る。
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