父の彫像 A Statue for Father (1959) 別題「人類の恩人」
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物理学者の父親とその息子は、タイムトラベルの研究を行っていた。時間トンネルの研究に対して、始めは大学からの補助金も出たがやがてそれも無くなり、父親は大学をやめて自宅で研究を進めた。ある日、偶然にも中生代に短時間だが焦点を合わせることができ、2人はアヒルの卵ほどの大きさの恐竜の卵を、14個も手にいれた。時間トンネルのことは、公表すると邪魔される恐れがあったので、秘密にしたまま研究を続けた。卵からは、成長しても中型の犬程度の大きさにしかならない恐竜たちが生まれた。3年過ぎたが、時間トンネルの研究は進まない。一方で恐竜は繁殖し、50頭ほどになっていた。あるとき、実験室に迷い込んできた1頭の恐竜が、2つの接点のあいだを横切った。猛烈なショートが起こって火花が散り、時間トンネルの機械は完全に破壊された。2人は一瞬で破産してしまったのだ。 呆然とする2人に、なんとも言えないかぐわしい香りが漂ってきた。それは焼け焦げた恐竜から出た香りで、皮の下の肉はニワトリのようだった。2人は至福の表情で恐竜をむさぼり食った。彼らは銀行から融資を受けて、恐竜を大規模に飼育し「ダイナチキン」として販売した。いまやその味は世界中に広まり、2人の立ち上げたレストランチェーンだけで、独占販売されている。恐竜の群れを飼育するのは、彼らの一族だけであり、一族は大金持ちになった。そのあいだも、父親のほかに20組ものチームが、時間トンネルの研究を続けているが、なんの成果も得られていない。ダイナチキンの味に感動した人々は、父親の彫像を山腹に造った。その碑文には「世界にダイナチキンをもたらした者」と刻まれている。父親の夢はただ一つ、タイムトラベルの秘密を解明することだったのに…。
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