父と子の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:31 UTC 版)
父と子の人間関係は、人において父親が果たす役割の一つであり、重要なものである。父親あるいは「お父さん」は、子供の生物学的な父親であるとは限らず、義理の父親を真の父親ないし「お父さん」と見なす子供もいる。 たいていの父親は、子供を保護し、支持し、子供に責任を持つ。また、多くの有意義な利益を、子供に与える。それと同時に、地域社会や自分自身にも利益を与える。子供に関与する父親は、息子や娘の各成長段階で、その発達に対して独特の貢献をする。それは逆に自分自身にも良い影響を与える。 活動的な父親の姿は、少年の問題行動を減らし少女の精神的な問題を減らす上で、鍵となる重要な役割を果たす。例えば、父親と接触している子供は、認知発達評価のより高い成績を示し、より良好な対人的スキルを持ち、問題行動がより少ない傾向にあるということが、ある研究によって示された。 父と子の関与の度合いが増すと、子供の対人的安定性が増し、教育の成績が向上し、大人になってから安定した結婚生活を維持する能力が増える傾向にあるということも示された。 父親無しに育てられた子供たちは、父親のいる家庭で育てられた同僚よりも、自分自身の認知能力や身体能力が低いと感じる傾向が認められる。父親の関与無しに子供を育てる母親は、子供とより激しい喧嘩をする傾向にあることが報告されている。父親抜きで育てられた男の子は、より女性的になるが、性役割行動の男らしさはむしろ増大するといわれる。 人類学者のMaurice Godelierによれば、人間の男性が果たす親の役割は、人間に最も近い種であるチンパンジーやボノボとは決定的に異なっている。チンパンジーやボノボでは、父親としての役割は全く見られない。猫においてもほとんど見られない。
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