無線送信機と衛星追尾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 10:09 UTC 版)
「鳥類標識調査」の記事における「無線送信機と衛星追尾」の解説
個体の移動について詳しい情報が必要な場合、小型の無線送信機を鳥に装着させる方法が利用できる。送信機は小型の種において「リュックサック」のように羽基部に装着でき、より大型の種については尾羽に付けられるか、足輪として取り付けられるだろう。どちらのタイプも、通常信号受信を改善するために10cm程度と小さく、かつ柔軟なアンテナを装備する。地上から三角測量を使って鳥の位置を定めるために、(距離と方向を読むための)2つの可搬の受信機が必要である。鳥を目視確認なして遠方から居場所を突き止めることができるため、この技術はとりわけ植物がうっそうと茂った(熱帯雨林のような)場所での個体追跡に、または臆病であったり見分けるのが困難な種に役に立つ。 鳥の追跡のために人工衛星送信機を使用することは、現在の所、送信機の大きさの制約からおよそ400gより大きい種に制限される。これらは長距離の移動を行う渡り鳥(ガチョウ、ハクチョウ、ツル、ワシタカ)やペンギンなどのその他の種に装着される。送信機のバッテリーの寿命が尽きるまでのあいだ、個体は長大な距離の移動を衛星によって追尾される。翼タグと同様に、送信機は換羽の際に脱落するように設計されている。あるいは鳥を再捕獲して回収できるかもしれない。 アホウドリの背中に取り付けた送信機からの電波を衛星NOAAが受信し、地上の受信局が情報を受け取る。そして日本とフランスにあるアルゴス情報処理センター経由でコンピュータ解析された情報を受け取り、現在位置が分かるシステム(アルゴスシステム)が確立している。 無線送信機をつけたオナガガモのオス 無線送信機をつけたオナガガモのメス
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