為替レートの変動の要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:09 UTC 版)
「為替レート」の記事における「為替レートの変動の要因」の解説
「金利平価説」も参照 為替は2つの通貨の交換比率であるため、相対的にどちらが多いかで価格(為替レート)が決まる。為替は、その通貨に対する需要と供給で価格が決まる。一般に為替レートの変動は、当該国の景気動向、インフレ率の動向、金利動向、財政動向、金融政策の将来動向などの様々な要因がある。また、経済成長率、政治動向などの要因もある。為替レートは多くのマクロ指数とともに、互いに影響しあう内生変数である。 為替レート決定のメカニズムは、長期的(2-3年以上)では購買力平価、中期的(1年)ではファンダメンタルズ、短期的(数か月)では金融資産の動向で決まるとされている。為替レートは様々な要因で動くが、そういった要因を無視すれば、長期的には購買力平価の考え方が当てはまる場合が多いが、短期的には金利差(アセットアプローチ)が当てはまる場合が多い。また、中期的には経常収支で決まる可能性が非常に高いとされている。 経済学者のローレンス・クラインは為替レート決定のメカニズムを、1)金利差、2)経常収支の対GDP比、3)輸出価格比、に体系化している。 ただし、為替レートの動きは、マクロ的な変数の動きだけで説明できる部分は、ごく限られている。日々の値動きという超短期(1秒~数時間)では、取引参加者の予想・思惑という心理によって動く。将来の動向を織り込んだ為替取引を行うディーラーの行動によって、しばしば為替レートは実際のマクロ指数の変化を先取りして動く。為替レートは、自己実現的な「期待」に引きずられて、正常な範囲を超えて均衡レートから大きく乖離することがある。このような場合、通貨当局が介入して「シグナル」を送ることがある(外国為替平衡操作)。
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