準備援助
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/31 06:24 UTC 版)
準備援助は、世界遺産リストへの登録に向けた準備、すなわち世界遺産の暫定リストの作成や比較研究、および推薦書の作成などの援助を目的とするものである。世界遺産の推薦に当たっては適切な形で価値を証明する推薦書を作成する必要があり、しばしば専門家たちの力を借りることになるが、それには多額の費用がかかる。日本の琉球王国のグスク及び関連遺産群(2000年登録)では推薦書作成に1億円以上かかったという話もある。こうした費用は特に発展途上国にとっては大きな負担となり、先進国と発展途上国とで登録件数に差が開く一因とも指摘されている。「準備援助」はそうした問題に対応する枠である。 たとえば、マーシャル諸島唯一の世界遺産ビキニ環礁核実験場(2010年登録)は準備援助として3万ドル、フィジー唯一の世界遺産レブカの歴史的港湾市街(2013年登録)は23,500ドルが拠出されている。 当初援助を受けていなかったが、再挑戦で援助を受ける場合もある。ガンビア初の世界遺産となったクンタ・キンテ島と関連遺跡群(2003年登録)の場合、1996年審議の時点で比較研究の不足などを理由に登録が見送られ、その後、総額7万ドルの準備援助を受けて再推薦し、登録にこぎつけた経緯がある。また、推薦、再推薦の双方で援助を受ける場合もある。ブルキナファソ唯一の世界遺産ロロペニの遺跡群(2009年登録)の場合、2004年に2万ドルを助成されて準備したが、2006年の審議で登録が見送られ、2007年に新たに3万ドルの準備援助を受けて再推薦し、正式登録につなげている。
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