液柱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 08:39 UTC 版)
U字型の液柱の液面の高さの差と、つながれた2か所の圧力差は比例する。 H = P a − P o g ρ {\displaystyle H={\frac {P_{a}-P_{o}}{g\rho }}} 液柱ゲージは、液体が入れられた管の両端を、差圧を測定したい場所に繋いで使うものである。液体の重量と加えられた圧力が釣り合う位置に、液面が上下する。最も簡単な形は、透明なU字管に液を半分ほど入れたものである。一方を基準にする圧力に (大気圧や真空を基準にする場合も多い)、他方を測定したい圧力に繋ぐ。2つの液面の差を h 、入れた液体の密度を ρ とすると、液柱にかけられた圧力は静水圧方程式 P = hgρ で計算できる。言い換えると、測定したい圧力を P a {\displaystyle P_{a}} 、比較する圧力を P o {\displaystyle Po} とすると、 P a − P o = h g ρ {\displaystyle P_{a}-P_{o}=hg\rho } が成り立つ。なお、圧力を測りたい流体の密度が、液柱ゲージに入れた液の密度に比べて圧倒的に小さい場合を除いて、測定値には補正が必要である。 液柱ゲージに入れる流体は基本的には何でもよい。もっとも、水銀がよく使われる。高密度であり (13.534 g/cm3)、蒸気圧が低いためである。水も比較的蒸発しにくい液体なので、よく使われる。気体の圧力測定に使う場合には、気体の種類の影響を受けることが少なく、線型性にも優れている。ただし、変動する圧力に対する応答性は悪い。真空の測定に使うと、中の液体が蒸発して真空度を下げたり汚染の原因になったりするので、あまり使われない。液体の圧力を測定する場合、液柱ゲージ中の液と混じりあう可能性があるので、2つを繋ぐ管の途中に気体を入れる場合が多い。この液柱ゲージで静水圧を測る場合、数百パスカルから百万パスカルぐらいまで測定が可能である。 いろいろな種類の液柱マノメーターがある。代表的なものを次に挙げる (構造に関しては外部リンクを参照のこと)。 単純マノメーター (Simple Manometer) U字管の片端は大気開放にして、大気との差圧 (つまりゲージ圧)を表示するもの。 マイクロマノメーター (Micromanometer) 単純マノメーターはU字管の液面が双方とも動くので読みにくい。そこで、片側に液タンクを設けて、片側の液面の動きを無視できるようにしたもの。 差圧マノメーター (Differential manometer) 2か所の差圧を、U字管の両方を繋いで測定するもの。 逆U字管マノメータ (Inverted differential manometer) U字管を上下逆にして使う。差圧が小さい場合に有効。
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