派遣の教訓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 05:04 UTC 版)
「自衛隊ペルシャ湾派遣」の記事における「派遣の教訓」の解説
最終的に、派遣部隊は各海域合計で34個の機雷を処分したが、このうち機雷処分用ROVである75式機雷処分具S-4が使われたのは最初の頃の6個だけで、しかもこのうち1個は失敗して殉爆せず、結局はEODによる直接処分が必要となったため、これも含めれば、実に85%(29個)をEODが処分したことになる。これは深度が浅く潮流が速いというペルシャ湾の特異な海洋環境に起因するところが大きかったものの、上記の通りS-4の性能不足の面もあった。 またこれを含めた対機雷戦装備の性能ばかりでなく、掃海艇自身の安全性、処分作業の自動化・省人化の面においても、大きな問題を抱えていると意識されるようになった。「ひこしま」艇長として派遣に参加した新野浩行3佐は、護衛艦隊司令部が発行する『艦船と安全』1992年2月号への寄稿において、「海上自衛隊創設以来の掃海の諸先輩方の努力によって受け継がれてきた掃海術科能力は、欧米諸国の海軍に比べて決して劣ってはいないと考えるが、装備武器については二流以下であるとの誹りは免れないだろう」と述べた。 この教訓を踏まえて、1992年より、海幕は平成6年度計画で建造する掃海艇(06MSC)における対機雷戦システムの研究に着手、当時の欧米諸国掃海艇のなかでは最新であったイギリス海軍のサンダウン級機雷掃討艇がモデルとして採択された。これを踏まえて開発されたのが510トン型(すがしま型)で、予算枠上の問題から1年順延されたものの、平成7年度計画より建造が開始された。
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