泰山地獄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 08:53 UTC 版)
後漢『博物志』には泰山で人間の寿命がいかほどかをはかることが出来るという。『後漢書』烏桓伝に「死者の霊魂は泰山へ行く」記述がある。しかし、こういった泰山と死者の世界が結びついた文献は漢代以前に見えない。しかし、仏教仏典には泰山地獄を扱うものが多い。仏教での地獄は、インドの原語でニラヤNiraya(奈犂)、ナラカNaraka(奈落)で漢訳に意訳すると地底の牢獄つまりは地獄としたものである。仏教伝来初期、仏典の漢訳をする際にわかりやすくするために中国のある事物や語彙を借用した。原語のニラヤ・ナラカは通じ難いと判断し、泰山がインドの須弥山に匹敵する高山であることを。泰山神が魂魄を召すという俗説に便乗して地獄が泰山にも存在することを牽強した。三国時代から魏晋時代に連れて漢訳仏典にはしばしば「太山地獄」「太山王」「太山の鬼」「太山畜生餓鬼」「太山焼煮の処」「太山湯火の毒」などの地獄を泰山に付会した用語が出てくる。また、仏教仏典には「泰山が崩れるような懺悔」という言葉があり、山が体を表現して、大きい山を太山に統一。泰山を周知していることからこの言葉が生まれたとされる。現在の苦悩と死後の葛藤の軽減にこういった考えをするようになったのではないかとされる。
※この「泰山地獄」の解説は、「泰山」の解説の一部です。
「泰山地獄」を含む「泰山」の記事については、「泰山」の概要を参照ください。
- 泰山地獄のページへのリンク