法的規制検討の動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:46 UTC 版)
総務省情報通信審議会の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」では、フリーオを始めとする無反応機を、法律によって取り締まる検討を行っているが、際限なく規制が行なわれる警戒感から、家電業界の電子情報技術産業協会は、法的規制には猛反対しており、その道筋は全く見えていない。 東京都地域婦人団体連盟の長田三紀は「制度的エンフォースメントでなんとかできないか」と、フリーオの法規制に積極的な発言をしている。 主婦連合会の河村真紀子は、「B-CASカードによるスクランブルの仕組みを破ることは大変難しいと伺っていたが、説明を聞く限りでは簡単に破られたように思える。こんなものだったら、この仕組みにこれまでかけたコストはなんだったのかと思う」と技術的エンフォースメントのコスト高について発言している。 河村委員は、第47回の委員会でも、「制度(注:法規制)というのは、(中略)色々な立場の方にアレルギーがあるのは判っている。しかし、……」という非常に分かりにくい言及の仕方で、スクランブルを批判しつつ、暗にその代替としての法規制を求める発言をしている。 生活経済ジャーナリストの高橋伸子は、「今回この仕組みが破られたことでそれを防ぐために新しい仕組みを導入しようといった話になると、また膨大なコストが発生するのではないか」と新たな技術的エンフォースメントを採用することに対し懸念を示している。 慶應義塾大学の村井純は、「制度の具体像を検討しなければ、スクランブルを用いたエンフォースメントの長所短所を議論できない」とし「スクランブル化」と「制度でのルール保護」のバランスのあり方を課題とし、「スクランブルを行なわない場合には『ルール違反』に制度で対応する必要がある」と両者が二者択一の関係であることを明言している。 このように、権利者代表のみならず消費者団体までもが、法的規制を後押しする意見を述べていた。しかし、2012年(平成24年)「デジタルコンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(第63回)」において、河村委員は、「国内で音楽配信の商売が回るようにすることは賛成だが、ダビング10のような無意味なコピー制御には反対」との意見を出しており、上記法的規制に対するコメントは、2008年(平成20年)度の会議録である事に注意が必要である。 家電業界の電子情報技術産業協会は、法的規制に反対する立場から、技術的エンフォースメントにこだわる一方、「著作権を特別扱いしたら、権利者がつけ上がってしまった」と不快感をあらわにし、「諸外国と同じく一切のコンテンツ保護を解除し、補償金について別途協議すべきだ」といった、私的録音録画補償金制度問題も絡んだ主張となっている。
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