水回りの環境悪化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 15:24 UTC 版)
一つは、特に平地での水辺環境が近年非常に激しく変わったことが上られる。 水田には、水田雑草と呼ばれる一群の植物が生育していた。湿地性のものも、沈水性のものもあった。浮遊性のものは、水面をふさいで水温上昇を妨げるので、嫌われたこともある。これらの植物が、現在ではほとんど根こそぎになくなってしまった。これは、除草剤の影響が大きいものと思われる。 また、水田周辺の水路は、圃場整備などによって三面コンクリートの水路となり、多くの水中動物と共に、水草の成育環境が失われた。 水田耕作の関係により、日本各地に多数のため池があったが、都市開発などの中で埋め立てられたものが多数ある。また、農業用水の整備で使われなくなった場所では、ため池が放棄され、場合によっては産業廃棄物の不法投棄などに使われている。 同じように生育環境が失われた例として、河川の周辺湿地がある。本来、河川は平野部では次第に流れの位置を変えながら、その周辺に氾濫原である湿地を付属させていた。それらは、農耕の進歩や河川改修などにより、次第に狭められ、あちこちの河川に部分的に残されるような形になっていた。しかし、近年、その残りわずかな地域が、一気になくなる例が増えている。今まで放置されていた河川内部にまで改修が入ることが多くなったためである。 また、都市化などによる下水の増加、農地からの肥料の流入などにより、各地で淡水湖の富栄養化が問題になっている。そのために水質が悪化し、水草が成長できなくなったところもある。比較的大きな湖沼では、深い部分にさまざまな車軸藻類の生育する部分があることが一部で知られていたが、詳しい調査が行われる前に、消滅してしまうのではないかとの危惧の声さえ出ている。
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