水中固定聴音機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 01:30 UTC 版)
「海上自衛隊のソナー」の記事における「水中固定聴音機」の解説
アメリカ海軍のSOSUSは極東地域にも展開しているが、海上自衛隊でも水中固定聴音装置を設置・運用している。ただし、公式情報は少なく、設置箇所や運用方法は公表は差し控えられている。ただし、1973年及び1974年に津軽海峡や対馬海峡への設置が国会答弁されている。 機器については、67式水中固定聴音機LQO-3 16基の取得が計画されていた。これは受波器48個を直径約3.75メートルの円周上におのおの垂直かつ等間隔に配列したもので、聴音周波数範囲は300~5,000ヘルツであった。一部は1980年代にLQO-3Aに更新された。これらの機材は純国産であり、海峡ごとに複数基設置されたが、性能は芳しくなく、潜水艦の探知距離も近距離に留まっていたとされている。より低周波数に対応したLQO-4も1970年代より開発が開始され、1990年頃より配備・運用に至っている。その後も、水中固定聴音装置はLQO-4B、LQO-5、LQO-6が開発されている。 1990年代、松前警備所を拠点に日本海へも固定聴音網が展開していると推測されており、下北海洋観測所及び沖縄海洋観測所も固定聴音網の関連設備と考えられていた。 2015年9月、第189回国会において平和安全法制関連2法案が成立する直前に、沖縄県うるま市の海上自衛隊沖縄海洋観測所沿岸から海中に長く延びる2組のケーブル埋設痕らしき画像が、ドローン(小型無人機)を用いて撮影され公開された。同月統合幕僚長は記者会見にて「SOSUSの日米一体運用の事実はない」と答えている。
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