民営化以降の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 05:49 UTC 版)
1980年代中盤以降、とりわけJR分社化後に有力な資源とされた寝台列車の利用促進のため、寝台車の個室化が進行する。 本稿の主題であるA寝台の場合、JR分社化を目前にした1987年(昭和62年)に登場した「ツインデラックス (DX)」と、「あさかぜ1・4号」、「出雲1・4号」用の「シングルデラックス」の改修が緒となった。 なお、前者は「北斗星」となる「青函ブルトレ」用として改造されたものを「ゆうづる」に連結して運用を開始した。 他にも、1人用A寝台個室「シングルデラックス」は従来開放式B寝台のみないし開放式A寝台連結列車への設定が進んだ。その際、改造の種類により原型の片廊下式の個室のほか、上下の寝台の位置を半分ずつずらし、上段寝室内に階段を設け二層式としたものや、中央に廊下を配したものも現れた。 1989年3月31日の乗車分まで、寝台料金に通行税10%が含まれていた(当時はA寝台車とともにグリーン車に対してもグリーン料金に通行税10%が含まれていた)。通行税はその日をもって廃止され、翌日から消費税3%(当時)に置き換えられ、実質的にA寝台料金は値下げとなった。 1998年(平成10年)に新造された285系寝台電車でも、1人用A寝台個室が「シングルデラックス」の名称で登場している。 しかし、2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正で、開放型A寝台を連結していた寝台特急「日本海」及び急行「きたぐに」の定期運行を廃止。臨時列車化に際して、両列車とも開放型A寝台を連結されなくなったため、同型の寝台を連結する寝台列車は全廃。2014年(平成26年)までに開放式A寝台車は全て廃車となり、ここに旧山陽鉄道一等車から数えれば一世紀にも及んだ開放式のA寝台の歴史が幕を閉じた。
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