殿堂入り論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:08 UTC 版)
引退後5シーズンが経過し、2013年にアメリカ野球殿堂入り資格を得た。しかし、ステロイド使用が確定しているボンズに対して、殿堂入りを認めるかどうかの議論が投票前から盛んに行われた。ロジャー・クレメンス、サミー・ソーサといった薬物使用者も同時に殿堂入り資格を得たため、「“ステロイド時代”をどう評価するか」という個人の問題に留まらない重要な論争となった。2012年12月にAP通信が投票有資格者100人以上に対して行った事前調査では、殿堂入りを認めると回答した記者は45%に留まり、殿堂入りに必要な75%には届かなかった(クレメンスには43%、ソーサには18%が殿堂入りを認めると回答)。ニューヨーク・タイムズも同様の調査を行い、43%がボンズとクレメンスの殿堂入りを認めると回答した(ソーサは12%)。これにより初年度の殿堂入りは絶望的な状況となった。反対派の中にも今後考えが変わる可能性はあると回答した記者も多く、論争の決着が付いたとは言えない状況である。 2013年1月9日、殿堂入りの投票結果が発表されたが、事前の調査よりも少ない36.2%しか獲得できず、殿堂入りを逃した(クレメンスは37.6%、ソーサは12.5%)。 殿堂入りを認める主張としては「ドーピングを始める前から、長期にわたって素晴らしい成績を残していた」「当時はステロイドが禁止されておらず、ドーピングが蔓延しており、誰が白で誰が黒かを明確に特定することは不可能」「既に殿堂入りした選手や、殿堂入り候補の選手の中にも、発覚していないだけで薬物を使用していた選手は確実に存在する」「純粋に数字だけで判断すべき」「野球殿堂は負の歴史も受け入れるべき」などがある。 一方で、殿堂入り反対派は「どのような事情があろうとも、薬物使用が判明した選手の殿堂入りは認めるべきでない」という主張を展開している。また、全米野球記者協会が設けた殿堂入りの選考基準「記録、能力、誠実さ、スポーツマンシップ、人格、チームへの貢献(the player's record, playing ability, integrity, sportsmanship, character and contributions to the team[s] on which the player played)」のうち誠実さ、スポーツマンシップ、人格の3つを満たしていないと指摘される。
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