死後世界説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 02:19 UTC 版)
エリザベス・キューブラー・ロスは、人々の思考により全てが創造される「サイキック・エネルギー世界」が存在し、そこでは主観がリアリティとなるのではないか、とコメントしている。こうした世界観はロバート・モンローやウィリアム・ブールマン(William Buhlman)らなどの体外離脱者によっても語られている。 宗教学者のヒューストン・スミス(英語版)等の研究によれば、宗教・神秘学における伝統的な知見の多くには、「アストラル界(中間界)」についての記述があるという。この領域は人が想像する物質やイマジナルなものがすべて含まれ、人の思考が形を取る世界である。パリのソルボンヌ大学でイラン・イスラム哲学教授であったアンリ・コルバンは、こうした主観と客観が入り混じる非物質領域の特性を「イマジナル(想在的)」と呼び「想像力によって創出されるものであるが、存在論的に実在する世界」であるとした。また、ヒューストン・スミスは「物質という1つの尺度しか必要としない科学の方法論的な前提が、現代においては、『他のリアリティは存在しない』という存在論的な結論にすり替わっている」とも指摘している。 臨死体験で起こる現象は、前世療法の被験者の口から語られることもある。そうした報告は「中間世界」(中間領域)の記憶、と表記されることもある。トロント大学医学部のジョエル・ホイットンは、約30人の被験者を集め、退行催眠を用い彼らの記憶を探った。その結果、被験者は、「トンネルの通過」や「かつての死者・ガイドとの出会い」「光体験」「人生回顧体験」「思考により創造される物体」など、臨死体験者が語る世界観とほぼ同一の内容を語り始めた。同様の事例は、マイケル・ニュートン(英語版)による退行催眠でも見られる。 こうした説明は実質的に死後の世界説でもある。ただし臨死体験は死にかけている者以外にも起こるという指摘もある。
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