歴史的な用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 06:49 UTC 版)
歴史的な事情で、整係数二次形式の概念について、互いに異なる複数の流儀が存在する。 2付き (twos in) 二次形式に付随する対称行列は常に整数係数となる。 2無し (twos out) 二次形式の係数が任意の整数である(したがって付随する対称行列の成分は、対角成分を除いて半整数になる可能性がある) この対立は、(多項式で表される)二次形式と(行列で表される)対称双線型形式のどちらを主と見るかという視点の違いによるものである。2無しの流儀はいまや慣習として認められており、また2付きの流儀はむしろ、整係数対称双線型形式(あるいは整係数対称行列)についての理論であると考えられている。 2付きの二元二次形式は ax2 + 2bxy + cy2 の形であり、対称行列 ( a b b c ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}a&b\\b&c\end{pmatrix}}} によって表される。この規約はガウスが著書『算術研究』で用いたものである。 2無しの二元二次形式は ax2 + bxy + cy2 の形であり、対称行列 ( a b / 2 b / 2 c ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}a&b/2\\b/2&c\end{pmatrix}}} で表される。いくつかの観点からは、「2無し」の流儀のほうが標準規約として適当であると考えられる。そういった観点として (複雑さを生み出す「局所的」な原因となる)標数 2 の世界の二次形式についてよりよい理解が得られる。 束として見た二次形式の算術を研究した1950年代の数学者たちが一般に2無しの流儀であった。 位相空間論における交叉理論に対する整係数二次形式の理論では実際に2無しのものが必要である。 リー群や代数群としての側面 などを挙げることができる。
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