武装ヘリコプターの発達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:44 UTC 版)
「攻撃ヘリコプター」の記事における「武装ヘリコプターの発達」の解説
この時期、アメリカ合衆国は南ベトナムを支援しての軍事介入を開始しており、1961年12月には陸軍のCH-21輸送ヘリコプターがベトナムに派遣されて、南ベトナム軍部隊を空輸してのヘリボーン作戦が開始された。そしてこれらの輸送ヘリコプターを援護するため、ヘリコプターの武装化が本格的に推進されることになった。1962年春からは、配備されたばかりのHU-1A(後のUH-1A)の武装化が着手され、7月25日には沖縄において15機のUH-1を有する汎用戦術輸送ヘリコプター中隊(Utility Tactical Transport Helicopter Company, UTTHCO)が編成されて、10月9日にはベトナムへと派遣された。この中隊のUH-1は、M60またはM37C 7.62mm機関銃2挺とロケット弾ポッド2個(合計14~16発)をスキッド上に搭載していた。 同年11月10日には改良型のHU-1B(後のUH-1B)の配備も開始された。HU-1Aの武装は現地部隊による応急的なものであったのに対し、このHU-1Bでは、武装に対応できるように当初からXM-156ユニバーサル・マウントが胴体後部に設置され、両舷に機銃が装着された。更にロケット弾ポッドも搭載されたほか、ベトナム到着後しばらくすると、側面方向をカバーするためにキャビン両側にドアガンとして7.62mm機銃と射手が配置された。また1964年7月には、機首下面にM75擲弾発射器(英語版)も装備されるようになった。 このように兵装が強化されるとともに重量も増大していった結果、エンジン出力の余力が乏しくなり、輸送任務のUH-1B/Dに追随できないという問題が生じた。これに対し、より大出力のエンジンを搭載するなど動力系統を強化したUH-1Cが開発され、1966年よりベトナムにおいて戦線に投入された。しかしそれでも、より高速のUH-1HやCH-47の配備が進むと再び速力不足が生じたほか、汎用ヘリコプターと共通の胴体設計であるために、装甲不足や大きな前面面積なども問題となった。 7.62mm機銃4挺とロケット弾14発を搭載したUH-1B 機首に擲弾発射器、両舷にロケット弾48発を搭載したUH-1B
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