標準版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 06:58 UTC 版)
ギルガメシュとエンキドゥは杉森への道を黙々と歩き、山々を上る。道中、ギルガメシュは複数回に渡りシャマシュに祈りを捧げていた。森の入口付近へ差し掛かった頃、突如としてシャマシュが天から「急いでフンババに立ち向かうのだ。彼は今、7つの鎧(メラム)を内1枚しか身に付けていない。彼が森の奥へ隠れてしまわないように、早く」と警告を告げる。ギルガメシュとエンキドゥは戦意を奮い立たせたが、フンババが1度叫ぶと辺りに恐怖が満ち、森の守護者はなおも叫び続けた。2人の英雄は互いを鼓舞し合い(主にエンキドゥがギルガメシュを励まし)、森へと近づいていき──。眼前に広がる見事な森には、イルニニ(イシュタルの別称)の聖所があった(前後の文に森の美しさを形容する描写が続く)。 (欠損箇所が多く、次の訳からいきなりフンババが登場)、フンババはギルガメシュに、何故やってきたのかをエンキドゥと話し合うように忠告、続いてエンキドゥに言った。「ギルガメシュを我が前まで連れて来たのは何故か?お前は、よそ者である彼と共に立つというのか。わしはお前たちの喉と項を噛み砕き、毎日ハゲタカやワシにそれを喰わせよう」。それを聞いたギルガメシュは怖気づくが、エンキドゥに「後ろ向きになるな」と応援され、森番と2人の英雄による戦闘が開始。 両者の動きで大地や木々が裂ける中、シャマシュが13の風を煽りフンババの足をとめた。ギルガメシュの武器(薬草の塗られた斧などを所持)がフンババを捕らえると、「ウルクのはえぬき(子孫の意)ギルガメシュよ、お前の望むままに木材を与えよう」などと降参(恐らく命乞い)する。エンキドゥは「フンババの言うことに耳を貸すな」と釘をさすので、フンババは「お前の傍にお前の愛する者がいる。そのギルガメシュに言って、我が命を救ってくれ」と嘆願したが、エンキドゥは「友よ、フンババを捕らえよ。絞り上げよ。撃ち殺せ。粉々にして、抹殺せよ。捕らえ、絞り上げ、撃ち殺し、粉々に抹殺せよ。エンリルが怒らぬ内に、神々が我々への憤怒で満ちる前に」と態度を変えることはなく、勝ち目がないと悟ったフンババは「2人を老齢まで生かしてはならない。エンキドゥはギルガメシュ以上に、高齢を得てはならない」と言った。エンキドゥは自分がこれ以上を友に話しても友は聞かないと語り(欠損が続き、どちらがどのようにとどめを刺したのか明らかでないが、フンババが殺されたと思われる描写へ続く)、フンババの内臓を肺まで取り除き、残った頭を金桶(もしくは皮袋)に押し込めた。
※この「標準版」の解説は、「フンババ」の解説の一部です。
「標準版」を含む「フンババ」の記事については、「フンババ」の概要を参照ください。
- 標準版のページへのリンク