概念形成の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/08/26 06:36 UTC 版)
「自己イメージスクリプト」の記事における「概念形成の歴史」の解説
私たちが海で地平線をみているとき、それをどのように知覚するだろう。人工衛星の映像記憶から地球が丸というイメージ表象を持つ現代人は、丸みを帯びた地平線を知覚するだろう。中世西洋人は平らでその端は滝になっていて水が落下する絵画を見ているので、平らでその先に行くことは危険と認知するだろう。 心理学者のBartlett(1932)は、このように知覚や解釈や未来の予知は、過去の経験や知識から期待(予測)に合致するよう再構成されるとし、過去の経験や知識という「スキーマ schema」に基づいていると考えた。スクリプト(script)という用語はSchank と Abelson (1977)によって提唱され、「行為者、対象物、場所等から成り、因果、時間的に順序づけている一連の目標指向についての一般的な知識構造」と定義した。たとえば、レストランに入ったら、通常、人は「メニューを見る→注文する→料理が来る→食べる→お金を払う」といった一連の動きを予想・期待する。その期待(予想)される一連の動きの概念的枠組みをスクリプトと定義し、ひとはそれに基づき知覚し行動するとした。現在では、スキーマとスクリプトのどちらも同じよう意味で使われ(宗像、2006)、2つの概念を厳密に区別することはできない。 宗像は、従来の「メニューを見る→注文する→料理が来る→食べる→お金を払う」といった一連の動きを予想・期待する一連の動きの「概念的筋書き」をしめす従来のスクリプトに対して、そのような概念的筋書きは、見知らぬ海外の旅行案内にもとづく行動は別にして、通常は用いていないと考えた。ひとはレストランに入った過去のすべてのイメージ体験記憶(感覚情報と感情情報からなるイメージ表象)から象徴される「物語的筋書き」をもちいて行動していると考えた。それをイメージスクリプトと名づけた(宗像、2006)。
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