楽曲「ロング・グッド・バイ」
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「浅川マキ」の記事における「楽曲「ロング・グッド・バイ」」の解説
1968年、蠍座公演のために寺山修司が書き下ろした13作品の中の1つ。 作曲・編曲は山木幸三郎。当初のタイトルは「朝鮮人のおじさん」であった。 副題は『LONG GOOD-BY』。内国作品/出典:PO(出版者作品届)。 2017年現在、音楽出版ジュンアンドケイ(JUN & KEI MUSIC PUBLISHERS, INC.)が出版者としてJASRACに登録。 JASRAC作品コード:094-5182-0。 1968年、一人の若者がノートを拡げ叫ぶようにして寺山の前で語り、その内容に触発され寺山が書き下ろした作品である(浅川マキ、談)。 当時、浅川マキは本作の歌唱に難色を示したが、寺山本人から「マキがこの作品を唄わないならば、僕(寺山)が演出する意味が無くなる」と説得され、唄う決意を固めた。作曲を担当した山木幸三郎も新幹線の車中にて懊悩したという。蠍座での公演は録音され、初のアルバムである『浅川マキの世界』ではB面にその殆どが収録されたが本作のみは東芝も発表および録音を拒絶、1968年当時の公式な録音は現存しない。音楽出版ジュンアンドケイは出版権を持つものの「詩・曲・譜面データは社内に資料が現存していない」と2003年9月に取材を行った藍渕への問い合わせに回答している。 1968年の披露以来、蠍座最終日公演を最後に「ロング・グッド・バイ」はその後10数年にわたって再び唄われることはなかった。9分近い本作を浅川マキが時折唄うようになったのは、1983年に寺山が死去して以降となった。 本作はノンフィクションであり、実名も出てくること、また1968年当時〝更に重大な約束があり〟(浅川マキ、談)、以上の理由から今後も録音、出版される可能性は極めて低い。但し浅川マキ生前のステージ公演にてアカペラにて披露される機会は稀にあり、本作の歌唱前には必ず発表までの詳細な経緯が語られたうえで披露された。 2001年8月5日、青森県三沢市『寺山修司記念館』での開館4周年記念イベント『テラヤマ・ワールド2001 IN 三沢』(副題:寺山修司と【賞】)では、第3部がコンサート『ロング・グッドバイ』と題され浅川マキがアカペラで寺山作品を歌唱。本作も披露された。
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