極限と余極限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/14 21:20 UTC 版)
位相空間の圏 Top は完備かつ余完備(英語版)、すなわち任意の小さい極限と余極限がともに Top 内に存在する。実は忘却函手 U: Top → Set は極限および余極限の何れにも一意に持ち上げられ、それらを保つ。従って Top における(余)極限は Set における(余)極限に適当な位相を入れることによって得られる。 具体的には、F は Top における図式として、(L, φ) が Set に落とした図式 UF の極限であるとき、Top において対応する F の極限は (L, φ) に始位相(英語版) を入れることで得られる。これと双対的に、Top における余極限を得るには、それに対応する Set の余極限に終位相(英語版)を入れればよい。 多くの代数学的な圏と異なり、忘却函手 U: Top → Set は極限を創出したり反映したりしない。これは典型的には Set における普遍錐(英語版)を被覆する Top の非普遍錐があることによる。 Top における極限および余極限の例を挙げる: 位相空間と見なした空集合は Top の始対象であり、任意の単集合は終対象である。ゆえに Top には零対象は存在しない。 Top における圏論的直積は、台集合の集合論的直積に直積位相を入れたもので与えられる。圏論的直和は位相空間の位相的直和で与えられる。 Top における射の対の等化子は、集合論的な等化子に相対位相を入れたもので与えられる。双対的に、余等化子は集合論的余等化子に商位相を入れたもので与えられる。 Top における直極限および逆極限は、それぞれ集合論的な直極限および逆極限にそれぞれ終位相及び始位相を入れればよい。 接着空間(英語版) は Top における押出し(英語版)の例である。
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