極限と連続性とは? わかりやすく解説

極限と連続性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/10 04:50 UTC 版)

多変数微分積分学」の記事における「極限と連続性」の解説

多変数微積分学における極限と連続性の研究は、1変数関数による微分積分学では論証されないよう様々な直感的な成果生み出した:19-22。例えば、2変数スカラー関数であって定義域に、任意の直線沿って近づく特定の極限与えるが、放物線沿って近づく異な極限与えるような点を持つものが存在する例えば、次の関数 f ( x , y ) = x 2 y x 4 + y 2 {\displaystyle f(x,y)={\frac {x^{2}y}{x^{4}+y^{2}}}} は原点を通る任意の直線沿って0(ゼロ)に近づくしかしながら放物線 y = x 2 {\displaystyle y=x^{2}} に沿って原点近づく場合、この関数の極限0.5である。同一の点に向かって異な経路選択することで、それぞれの場合対し異な極限得られるので、極限存在しない。 「各変数に関して連続である」ことは「多変函数としての連続性」(multivariate continuity) には十分でない:17-19例えば、二つの実変数を持つ実数値関数 f ( x , y ) {\displaystyle f(x,y)} の場合、y を固定して x に関して f が連続あり、かつ x を固定して y に関して f が連続となることは、f の連続性意味しないそのような例として f ( x , y ) = { y x − y if  1 ≥ x > y ≥ 0 x y − x if  1 ≥ y > x ≥ 0 1 − x if  x = y > 0 0 else . {\displaystyle f(x,y)={\begin{cases}{\frac {y}{x}}-y&{\text{if }}1\geq x>y\geq 0\\{\frac {x}{y}}-x&{\text{if }}1\geq y>x\geq 0\\1-x&{\text{if }}x=y>0\\0&{\text{else}}.\end{cases}}} を考えることができる。 f y ( x ) := f ( x , y ) {\displaystyle f_{y}(x):=f(x,y)} によって与えられる一実変数の)すべての実数値関数は、 x {\displaystyle x} において、(任意の固定された y {\displaystyle y} に対して連続であることを確認するのは容易である。 f {\displaystyle f} は x {\displaystyle x} と y {\displaystyle y} に関して対称的であるからすべての f x {\displaystyle f_{x}} も同様に連続である。しかしながら、 f {\displaystyle f} そのもの連続ではない。なぜならば、もし f {\displaystyle f} が連続であれば、(自然数 n {\displaystyle n} に対する)数列 f ( 1 n , 1 n ) {\displaystyle f\left({\frac {1}{n}},{\frac {1}{n}}\right)} は f ( 0 , 0 ) = 0 {\displaystyle f(0,0)=0} に収束するはずであるが、 lim n → ∞ f ( 1 n , 1 n ) = 1 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }f\left({\frac {1}{n}},{\frac {1}{n}}\right)=1} である。したがって、f は原点において連続でない。

※この「極限と連続性」の解説は、「多変数微分積分学」の解説の一部です。
「極限と連続性」を含む「多変数微分積分学」の記事については、「多変数微分積分学」の概要を参照ください。

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