根粒形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:33 UTC 版)
まず宿主植物の根が分泌した特定のフラボノイドを根粒菌内のNodDが感知すると、ノッド遺伝子群が発現し、ノッド因子が合成・分泌される。 宿主植物は共生相手特有のノッド因子を受容すると宿主植物の根毛先端に肥大化やブランチングなどが観察される。細胞質のカルシウムスパイキングも根毛の基部で起きる。次に、根毛でカーリングが起き、根粒菌は根毛に包み込まれる。さらに、植物細胞壁の局所的な破壊や原形質膜の陥入などが起き、感染糸がつくられる。根粒菌が内部に入ると宿主植物根では皮層細胞の一部が脱分化、細胞分裂し、根粒原基ができあがる。根粒原基に入った根粒菌は根粒原基内の植物細胞に取り込まれ、根粒原基が発達して成熟根粒となる。 根粒中で根粒菌はニトロゲナーゼにより大気中の窒素をアンモニアに固定する。その後、アンモニアはグルタミンやアスパラギンのようなアミノ酸に変えられて、植物に送られる。植物は根粒菌に炭水化物を供給する。また、植物はレグヘモグロビンを使って酸素を供給する。これらにより、ニトロゲナーゼ活性の阻害防止のために根粒内の酸素を低く保ちながら、根粒菌の呼吸が促される。
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