根粒菌内での生合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/10 15:28 UTC 版)
ノッド因子は根粒菌の持つ根粒形成遺伝子(nod genes)が発現することで合成される。根粒形成遺伝子群は、すべての根粒菌が持っている共通nod遺伝子群(common nod genes)であるnodD, A, B, Cと、宿主特異性に関与する遺伝子群(hsn genes)であるnodF, E, G, H等、その他の3つに分類される。 ノッド(nod)遺伝子の発現は、細菌を引き寄せるために植物が分泌した土壌中のフラボノイド類の存在によって誘導される。根粒菌に取り込まれたフラボノイド化合物は細胞内でnodD遺伝子産物のNodDタンパクと複合体を形成する。その複合体がnodプロモーターであるnod boxと呼ばれる遺伝子領域に結合し、その結果RNAポリメラーゼがnod遺伝子群のプロモーターに結合し転写を開始すると考えられている。一連の流れにより発現したnodABCによりノッド因子が生合成される(NodCがN-アセチルグルコサミンを重合させキチン骨格を作り、NodBが非還元末端のアセチル基を除去した後、そこにNodAがアシル基(脂肪酸)を付加する。)。ノッド因子は根毛が細菌を包み込むような湾曲を誘導し、その後根粒を形成していく。
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