材料としてのサメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 04:39 UTC 版)
皮 サメの皮には独特の凹凸(楯鱗、じゅんりん)があり、このためヤスリ等の材料として用いられる。最も身近なものではわさび専用のおろし金等がある。金属製のおろし金と異なり、ワサビの植物細胞をより多くつぶすため、ワサビ独特の風味がよく出る。このため、料亭や寿司屋などで多用されている。楯鱗を削り落として柔らかくなめし加工がされたサメ革はシャークスキンと呼ばれ、楯鱗を落とした痕の独特の肌触りと耐水性の高さから、他の動物性皮革と同様に革製品の素材として用いられる。 サメは日本近海で比較的容易に捕獲でき、皮革の入手に当たりウシやブタなどの家畜のような肥育も必要としないことから、第二次世界大戦末期の1944年(昭和19年)ごろには日本兵の軍靴などの皮革製品にもサメ革が代用品として用いられるようになった。なお、日本刀の柄に使用される鮫皮はサメではなくエイの仲間の物が使われる。 内臓・軟骨 サメの肝臓からはスクアレンと呼ばれる物質が採取され、肝油として珍重されている。このほか、軟骨などからコンドロイチンが採取され、健康食品などに利用されている。 歯 装飾品として加工されている。また近代以前では、サメの骨や化石のうち、歯が「天狗の爪」として、上下の顎骨が「大蛇の顎骨」として伝承されてしまった例もある。ハワイではテニスラケット形状の木枠に歯を括り付けてノコギリ状の剣としたレイオマノ(英語版)などの武器が用いられていた。また、キリバス共和国ギルバート諸島でも、ノコギリのようにサメの歯を付けた剣や槍などが作られた。
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