未登頂状態の検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 04:55 UTC 版)
ある山が本当に未登頂であるかを判断するのは難しい場合がある。19世紀半ばに近代的な登山が始まるよりもずっと前に、人類が山頂またはその近くまで移動したことを示す痕跡が残っている。アンデス山脈での考古学的発掘調査によると、人類は先史時代に最高で標高6,739メートルの地点まで移動していた。アンデスでは1万2千年前に標高4,500メートルの恒久的集落が作られていた。チベットのラサにあるグレーターヒマラヤ地域では、7世紀以来標高3,650メートルの場所に人々が生活しており、標高4,000メートル以上にも多くの小集落が存在する。何千年もの間高地に人が住んでいる場合、集落の近くの山頂に、過去のある時点で登頂した人がいるかも知れないし、登頂されていないかもしれない。しかし、特に大山脈のいくつかの高峰は非常に遠く、ヨーロッパの探検家が最初に目撃したときに地元の住民に知られていなかった、集落から離れた多くの地域はこれまで探検されたことがないかもしれない。 世界第3位の高峰カンチェンジュンガは、既に何度も登頂されている。しかし、最初の登頂者が、地元の人々の信仰を尊重して山頂の最上部には足を踏み入れないことに同意し、その後の登山隊もその伝統を守っている。インド第2位の高峰ナンダ・デヴィも、同様の理由で最上部には足が踏み入れられておらず、1983年以降は入山自体が禁じられた。マチャプチャレは、1957年に1度だけ英国隊が頂上から150メートルの位置まで上っている。ネパール政府は、それ以降、この山への入山を禁止している。
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